流動化処理工法
現在、建設工事で発生する土は、大部分が再利用されることなく海や畑などに埋め立て処分されています。流動化処理工法は、そんな捨てられる土を高品質(転圧締固不要)な埋戻し材料として再生するものです。流動化処理土はその特徴から多数の適用用途が考えられています。
この工法は、建設省 土木研究所と(社)日本建設業経営協会 中央技術研究所 との共同開発によって開発されたものです。
徳倉建設株式会社は、平成6年より上記研究所内に設置された「流動化処理工法研究委員会」(委員長 久野悟郎「中央大学名誉教授」)において、流動化処理工法の利用技術に関する研究を行ってきました。この間、いくつかの試験工事を行い、その適用性を確認すると共に、流動化処理土製造プラント「どろえもん」を制作し、当工法の実用化に成功しています。
徳倉建設は、流動化処理工法を通し、発生土のリサイクルを行い、環境に優しい循環型社会をめざしています。
調泥式流動化処理
プラント
「どろえもん」
土
建設現場から発生する建設発生土は年間膨大な量になっています。これらは現在、環境破壊などの問題から大きな社会問題になっています。建設省など関係団体は建設副産物連絡協議会において、建設副産物対策行動計画(リサイクルプラン21)や、建設リサイクル推進計画などを策定し、建設発生土の再利用及び再生利用を協力に推進しています。
流動化処理工法概要
土に、多量の水を含む泥水と固化材とを加えて練ることにより流動化させ、その流動性を保持した状態で運搬・打設を行う工法です。流動性が良いため複雑な断面にも確実に充填するばかりか、転圧締固作業が不要になるため、施工において大幅な省力化が図れます。
特徴
- 全ての種類の土の再生が可能です。
- 流動性と自硬性を有しているため、狭く複雑な空間を締固を行わずに埋め戻すことが可能です。
- 固化した後は透水性が低く粘着力が高いため、地下水などの侵食を受けません。
- 固化時に体積収縮をほとんど起こさないため、埋戻し・裏込めに用いると仮復旧をせずに本復旧を行う事ができます。
- 調整泥水を使用する事により、土の種類が変化しても配合を調整することで一定の品質を確保することができます。
- 固化した後は、その強度により地震時にも液状化しません。
適用用途
流動化処理土は製造時には泥状を呈し、一定時間を経過すると所定の強度を発揮するので、以下のような用途が考えられています。
- 水道・ガス等の地中埋設物や地中に埋設するケーブル等の埋戻し。
- 建築基礎、共同溝、地下鉄等の地中構造物と地山(土留め壁)との狭い空間の埋戻し。
- 擁壁、橋台、カルバート等の構造物の裏込め。
- 地盤沈下等により建築物の床下に生じた間隙の充填。
- 路面陥没の原因となる舗装の基礎地盤に発生した空洞の充填。
共同溝埋戻し
埋設管の埋戻し
橋台の裏込め
建築基礎、山留工事等の埋戻し
シールドトンネル